暮らしのコラム

日々、木楽舎が住まいづくりに関わる中で見つけたり、気づいたりしたことをお伝えします。
自分らしい暮らしを生み出すヒントになれば嬉しいです。

カテゴリー:
パッシブデザイン 建築・設計

2018年11月25日

換気扇のコト

2018年も残すところ1か月余りとなりました。
このコラムも気が付けば5か月も書かずじまい・・・
いやぁ、時が経つのは本当に早いものですね。(遠い目)
 
昨日のプラン打ち合わせで気になることがあったので書いておこうと思います。
いま、挾間町で↓のようなお家をプラン中。(ボカシはご勘弁を!)
hasama
子育て真っ最中のご家族が暮らす、32坪ほどの住まいです。
 
設計も大詰めに入り、このお家の外皮(断熱)性能の簡易計算を行ったところ、↓のような結果になりました。
外皮1
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、2020年以降はある一定の省エネ性能をクリアした住宅しか建築の許可が下りなくなります。
その基準となる数値の一つが「外皮平均熱還流率(UA値・ユーエーち)」という単位。
大分など比較的温暖なエリアでは、UA値が0.87W/㎡K以下になっておく必要があります。
 
そして今回の計算ではその数値が0.59W/㎡K。
これは国が2030年に平均化させたいレベル(UA値=0.6W/㎡K以下)、いわゆるZEHレベルを超えています。
 
「え、すごいじゃん!木楽舎の家って未来基準じゃん!!」と喜んでしまいそうになるのをグッとこらえて(笑)、このお家の温度変化をシミュレーションしてみます。
ちなみに、エアコンなどの暖房器具は一切使用しない設定です。
室温1
・・・あれ、思ったほどには良くないぞ・・・。
以前、モデルハウスに泊まって測定した記事を書きましたが、「寝起きの室温が15℃を超えると世界が変わる」という点で言えば、もうひとつという感じ。
 
そこでもう一度、数値を見直すと・・・
外皮1
やはりあなたの仕業でしたか、「Q値(キューち)」さん!
「熱損失係数(Q地)」とは、建物全体から逃げる熱の総量を表す数値です。
UA値との最大の違いは、「換気扇による熱の逃げも含む」こと。
 
現在の住宅は「シックハウス対策法」に基づき、家じゅうの空気が2時間に1度入れ替わるように換気計画をしなくてはなりません。
外の空気を中に入れ、室内の空気を外に出すため、室温が影響を受けるわけです。
 
機械で換気をする場合、第1種~第3種までの方式があります。
第2種・第3種はいわゆる普通の換気扇なので、熱の出入りが多くなります。
対して「熱交換」を行う第1種換気は熱の損失が少なくて済むという利点があります。
 
ということで、第1種換気を使った場合で再計算!
外皮2
見事にQ値が下がりましたね。
そして室温シミュレーションを行うと・・・
室温2
冬の室温が1℃も底上げされました。
恐るべし、換気扇・・・
 
とまぁ、結果だけを見てみると第1種換気に越したことはないのですが、その分コストもかかりますし、より細やかなメンテナンスも必要になるようです。
自分が必要とする温熱環境と照らし合わせてみて、選択肢の一つに入れておくというくらいの意識でもいいかもしれません。

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