すごい建物 vol.3 木造トラス構造[四国鉄道文化館]

妻の実家は愛媛にあるため、このお正月は愛媛に帰っておりました。

子どもたちと一緒に愛媛県西条市にあります「四国鉄道文化館」という建物を訪問しました。

図らずも凄い建物でしたので、電車好きの方のみならず建築好きの人も満足する場所だと思います。是非足を運んで下さい。

SLなど、古い車両からフリーゲージトレインの試作車両まで、6両の鉄道が展示されており、うち5両の中に入り運転席に座ることができます。

建物は北館と南館に分かれており、写真は南館になります。

一般に、木材は大開口を作るのが苦手です。それは、木材が横方向からの力に弱いためです。この建物はトラス構造という特殊な構造にすることで、屋根や木材の荷重を木材に対して縦方向に受け流すよう設計されています。そのため、木材でありながら大きな空間を作ることに成功しているのです。

これだけでも凄い建物ですが、調べてみると木造トラスの建物は公共建築物を中心として意外と多くあります。

こちら、北館の屋根です。

こちらもトラス構造ですが、異様に曲がっている木があります。

曲がって曲がってアーチを形成している木材、これスギの丸太なんです。

スギの丸太に縦方向にノコギリで切れ込みを入れ、任意の位置まで曲げ、ヒノキの木栓で留めて固定するという…。

昔ながらの弁当箱で曲げわっぱがありますが、あれもスギやヒノキを薄く加工して曲げることで作られます。曲げわっぱも、この建物も、木材の性質をよく理解した方々が設計したのでしょう。脱帽です。

(調べてみると、和田建築設計工房さんの設計とのこと、設計されている他の建物も見に行こう…)