病害虫に強い木、その理由

先日、サクラは病害虫に弱いこと、剪定に弱いことから手入れが大変になりやすい、という記事を書きました。

そこで、病害虫に強いってどういうことかを調べてみました。

 

調べてみると、『ヒノキには虫を寄せ付けない効果がある』『クスノキには~』といった実際の効果を強調する検索結果は沢山出たのですが、どうして虫に強いのか?という原因を謳う記事はごく僅かでした。

 

その中でこちらの記事…。

木材を用いたダニ防除と木材のにおいに対する快適感評価にもとづく室内環境の改善に関する研究

各種木材を入れた実験容器にアレルギー症状を及ぼすヤケヒョウダニを入れ、行動の変化を確認するというもの。(論文中には他の実験もありましたが抜粋。)

針葉樹…

ヒバ・ヒノキの容器では24時間経過で80%以上のダニに行動抑制効果。

スギの容器では72時間で行動抑制に有意な効果。

広葉樹…

クスノキの容器では6時間で90%以上のダニに行動抑制効果。

ミズナラ・ケヤキには効果が見られなかった。

ざっと上記のような結果でした。

 

樹種ごとにダニに対する効果を数値を以て検証すると効果が分かりやすいですね。

ヒバ・ヒノキもさることながら、クスノキの効果は素晴らしい。

昔ながらの虫除けに樟脳がありますが、これはクスノキを窯で蒸し上げて蒸留し、その蒸気から得るものです。昔の人は虫除けに強い効果を持つことをいつ頃、どうやって気付いたんでしょうか…。

 

特定の木材が虫除けの効果を持つことが分かりましたが、その原因物質についてまた調べてみたいと思います(ちょっと前に書いた気がする…。もっと詳しく調べます。)。

更に、「蚊寄らず」「ハッカ」など、忌避効果のある植物についても興味が湧いたので追々調べてみようと思います。

高知県、大豊町にあるスギの大杉です。お近くに行かれた際は寄ってみて下さい。