ベタ基礎と布基礎

最近、お施主様に対して、木楽舎が採用している仕様を説明するための資料を作成しています。

例えば、屋根ひとつとっても、瓦屋根に始まり、ガルバリウム鋼板、スレート、陸屋根+防水…etc様々な考え方があります。

その中で、どうして木楽舎がその仕様を採用しているのか、改めてまとめる作業です。

 

私も入社して半年経ちますが、木楽舎の標準仕様について語る程の知識がありません。

改めて勉強する良い機会であるとともに、ブログの中で発信すれば、木楽舎のことをより知って頂けるなと思っている次第です。

 

今回は、『基礎』についてのお話です。

建物は土の上に直接立っている訳ではありません。

土の上に木造建築を建ててしまうと、柱が腐食してしまいます。

こちらの記事でも紹介していますが、コンクリートが基礎として一般的に使用される以前も、石(礎石:そせき)を置いてワンクッションを噛ませてから、木材を置いています。

 

石からコンクリートに切り替わってからも、大きく分けて2つの基礎が使われています。

①布基礎

②ベタ基礎

 

①布基礎

不動産の選び方と失敗しない家づくり様より http://kazun.co/kiso.shurui.nunokiso.html

写真のように、鉄筋・コンクリートが建物の外周と主要な構造部の下部のみに設置される構造です。

メリットとしては、用いるコンクリートの量が少ないので、後述するベタ基礎に比べて安価です。

一方で、基礎部分以外は土がむき出しになるので、土中の湿気が上がってきやすい、虫がよりつきやすいデメリットがあります。(基礎以外の部分を薄くコンクリートで覆う場合もあるようです)

また、地盤の状況にもよりますが(敷地の一部が軟弱等)、基礎の下部全体に荷重のかかるベタ基礎に比べて、不同沈下が発生する恐れが多くなります。

②ベタ基礎

木楽舎で施工中の写真です。美しい。

ベタ基礎は、建物の外周・主要構造部以外の箇所にも鉄筋・コンクリートを入れ、基礎全体で面的に建物を支える構造です。

メリット、及びデメリットは、布基礎の逆になります。

使用するコンクリートの量が多くなるので割高になる一方で、湿気や虫害に強く、面全体で支えているので不同沈下を起こす恐れが少ない。

 

木楽舎で標準的に採用しているのは②ベタ基礎です。

費用面では布基礎に軍配が上がりますが、家は長く一緒に年を取っていくものです。湿気や地盤の沈下など、徐々に影響が現れるものに対して対策を取ることは重要です。

ちなみに、今回のお話は木造住宅に限定しています。鉄骨造等の構造の場合は布基礎を採用する方ががメリットが大きくなることもあります。